大学で学生の講評会に参加した

自分の出身大学(美大)に行きました。デザイン科での、情報デザインの授業の課題の講評会に呼ばれたのです。学校に行くのは、1月に行った院の修論発表以来の半年ぶり。


講評会では少々辛口な意見を言いました。これは学生に対してというのもあるけど、教授の方々に対するメッセージでもありました。


課題はグループワークで、自分たちで決めた対象製品・サービスを、人間中心設計(HCD)で改善するというもの。辛口になってしまったのは、改善が本当に改善でしかなかったからです。何のしがらみもない学生が、遠慮がちな、当たり前すぎる改善案しか提示してなかったので「飛躍が足りない」と苦言を呈しました。
学生なら、常識をぶっこわして新しい仮説、概念、デザインを提案して欲しかった。コストも関係ないし、分からず屋のジジイもいないのだし。


そもそも「人間中心設計=ユーザビリティテスト&分析」という捉え方はもう古くて、今はHCDを飛躍や発想、革新のために活用すべき。でなければ、デザイナーがHCDやる意味ないです。CSとか品保でも、外注してできちゃう。デザイナーがHCDを推進する、つまり人間を観察してモノやサービスをデザインするなら、従来の経験や勘では得られないような発想・アイデアを創造する必要があります。


その辺は、今までHCDを推進してきた団体やメーカーにも問題があって、今までは改善に傾倒しすぎてたような気がします。今後は、発想に重点を置いたHCDを積極的に推進するべきですね。手法もユーザビリティテストではなく、デプスインタビューや行動観察などをもっと採用する必要があると思います。