Android Usability Seminar

代々木で開催されたAndroid Usability Seminarに行きました。



山中俊治氏の「使いやすさをデザインするということ」が一番面白かったです。twitterもフォローさせて頂いていて、日頃から刺激的なツイートをされているのですが、この日も面白いことが聞けました。印象的なコトバのうち、いくつかを以下に。


「デザイナーのユーザビリティに対する直感は必ず外れる。良いと思っても、実際には違っている。実験(ユーザビリティテスト)を実際にやってみましょう。」


「(開発者同士で)ユーザビリティのミーティングをしていると、話がちっとも噛み合わない。自分の経験で話すから。開発者は正しいメンタルモデルを持っている。ユーザーの使い方を論じる場合には見当違い。」


ユーザビリティテストは企画の一プロセスであり、確認のために行うのではない。」


「新幹線の改札機は切符を2枚一緒に入れることになっている。エンジニアの頭の中ではすばらしいアイデアだったのだろうが、実際には駅員が2〜3人『ここでは2枚入れるんです』と叫び続けている。」


「1歳4ヶ月の子供がiPhoneで動画再生をやっている。言語的、記号的な説明を要するものは子供には理解できない。何をやってもまずいことが起こらないことが重要。」


「ユーザーテストをしょっちゅうやっていると分かった気になるが、半年後にはもう違っている。」


最近、私の本業のほうでは、不景気やら組織変更やらで人間中心設計(Human Centered Design)を活用していません。それで何とかなっていると思ったら大間違いで、実はちゃんとベーシックなことをやっている競合他社と、どんどん差が開いているのだろうな。
個人でのアプリ制作などの場合はユーザビリティテストは難しいので、開発の途中段階で他人に触ってもらって、率直な感想を聞くのが良いですね。褒めてもらうのを期待せず、あえて厳しいことを言ってもらうべきでしょう。リリース後にコメントが荒れるよりははるかに良いので。


ほか、サイバーエージェントさんの「『アメーバピグ』によるデザイナーと開発者の協業」が面白かったです。50人のテストユーザによる意思決定とかAIR for Androidの活用など、熱い話題の連続で、私も聴いててテンション上がりました。


池田泰延氏の「Flash PlatformによるAndroidアプリ開発のこれから」でも、AIRを用いたアプリ開発についてレクチャーがありました。かなり手軽に見た目を設計できて、しかも実機にapkで転送できるので、ラピッドプロトタイピングにもいいかも。


ということで、大変有意義なセミナーでした。