ぴかねこ:テクノ粘土の試み

「ぴかねこ」というものを作りました。暗くなると目が爛々と光るねこです。
先日読んだ本「テクノ手芸」にインスパイアされ、粘土と電子回路を使った「テクノ粘土」という工作スタイルに挑戦してみました。




「ぴかねこ」は、一対のトランジスタと光センサーを使った、いわば脳細胞1つのロボットです。参考にしたのは、「テクノ手芸」で紹介されていた「暗くなるとほんのり光るお家」と「暗闇で光る動物」。暗くなるとLEDが光るというアイデアや回路などを模倣させて頂きました。
今回、手芸素材ではなく粘土を使うというのがチャレンジポイントです。


制作プロセスを簡単にご紹介すると・・・


▼1) まずは形や作る手順をまとめます。


▼2) 回路も再確認。


▼3) ブレッドボードで動作チェック。


▼4) 汎用基板にはんだ付けして、ケースに入れます。


▼5) いよいよ、ねこのパーツ。まずは目から。透明感があるという樹脂風粘土少量にリキテックスのブルーを混ぜ、丸めて白色LEDを差し込めばできあがり。
ただ、粘土の透明感はいまひとつなので、絵の具の量やLEDを差し込む深さは試行錯誤しました。
乾燥後に目につや出しニスを塗り、ホットボンドで絶縁します。


▼6) 次に頭です。白ねこにするつもりだったので、白い樹脂風粘土で球を作ります。


▼7) 乾燥する前に、作って硬化させてあった目を押し込んで入れます。


▼8) 頭頂部にも明るさセンサーを装着。頭の形も整えます。動物の場合、特に鼻の出っ張りが重要です。これがないと宇宙人ぽく見える?


▼9) 耳も取り付けます。ねこっぽくなってきました。


▼10) 頭部ができたら、回路の箱とはんだ付けします。この時、ねこの体をイメージしておきます。


▼11) 徐々に粘土を盛っていき、ねこの体を作ります。



▼12) 一通り粘土を盛ったら、前脚やしっぽも付けます。この後、少量の粘土で微調整したり、耐水ペーパー(紙やすり)で表面をきれいにします。


▼13) 最後に塗装です。目にマスキングしてから、アクリル絵の具で2度塗り。その後さらにつや消しニスをやはり二度塗り。乾燥したら完成です!



ということで今回、テクノ粘土という新スタイルに挑戦してみました。途切れ途切れに作業していたので、思い付いてから完成まで3ヶ月位かかってしまいましたが、集中して取り組めば1〜2週間で出来ると思います。


最後に、テクノ粘土の良い点と注意点をまとめます。


●良い点
・粘土ならではの、コロッとした存在感がかわいい。
・手やヘラで自由な形に作れる。後からの付け足しもできる。
・好きな塗装ができる。
・配線を粘土に埋め込んで隠せる。
・手芸や裁縫が苦手でも作れる。


●注意点
・粘土の乾燥に2〜3日かかり、その間は作業ができないので、締め切りなどがある場合は計画的にすすめる必要がある。
・手芸材料に比べると形状の冗長性が少ない(自分で作ったそのままの形になる)ので、作る前にきちんとイメージを固めておく必要がある。
・表面は細かいひび割れなどが多いので、やすりがけと塗装が必要。


ということで、この試みが何かの工作の参考になれば幸いです。