ねこ型スマートフォン XPELIA cat - the cat-type smartphone

猫の形をしたスマートフォンを作りました。
I made the cat-shaped smartphone.









現在、スマートフォンタブレット端末など、情報機器はどれも板状になり、サイズを除けば形状の差はほとんどありません。
この作品はそのような現状に一石を投じるべく、スマートフォンの形状を猫型にすると共に、触れると鳴き声を発する専用アプリを搭載、さらに猫の眼も光ります。
驚きや親しみなど、人間の心理に強く作用するインタラクション作品を目指しました。
(なお名称はXPELIA catで、XPERIAではありません。)


Currently, devices such as smartphones and tablets, all of the information equipment becomes a plate, there is no difference in shape.
This work has resisted such a situation, as well as the shape of the cat type smartphone with touch apps and the cries out, cat eyes glow even more.
Such as familiarity and surprise, aimed to work strongly interactions affect human psychology.
(The name is XPELIA cat, not XPERIA.)


この作品は、Make: Tokyo Meeting 07で展示・実演します。また電子工作コンテスト2011にも出品しました。


工作の材料は、樹脂粘土、ビー玉、金具類、パテ、電子パーツ、自作アプリを入れた既製携帯端末です。
以前の作品「ぴかねこ」と同様、粘土と電子工作を融合させた「テクノ粘土」スタイルで制作しました。
今回の制作期間も3ヶ月程度(といっても休日と、平日早く帰った日の夜しか作業していませんが)。その制作過程を以下でご紹介します。


▼1) 思いついた当初の落書き。以前に石黒浩教授の人型ケータイに衝撃を受けたことがあるので、影響は多分に受けていると思います。


▼2) 量感を確かめるためにボールペンで描いたスケッチ。


▼3) まずは眼球の制作。青いビー玉に、ルーターに付けたダイヤビットで浅い穴を開けます。


▼4) 穴に広角LEDを付けて固定します。写真はホットボンドですが、ガラスにうまく付かないので、後でパテで固定しました。


▼5) 胴体部分の骨組みを金具で作っています。そこにLEDを点滅させる回路が入ったABSの箱を乗せています。回路は以前Make: Electronicsの勉強で作ったものを流用。


▼6) さらに脚の金具も装着。ネジ止めした上で、パテで固定。


▼7) 粘土を盛っていきます。


▼8) スマートフォンとケースも装着して粘土を盛ります。スマホは保護のためビニール袋で覆っています。


▼9) スマホケースが固定された状態。


▼10) 頭を作ります。写真が無いですが、芯に穴の開いた木製の球が入っています。


▼11) 眼球用の穴にビー玉を押し込みつつ位置も調整。


▼12) 形を探っている状態。


▼13) 通電の確認。


▼14) ある程度出来てきた。


▼15) 頭部と胴体を接続。頭部の中の木球の穴に、胴体側の首に相当する金具を差し込んでパテで接着。その後で配線します。


▼16) 首部分に粘土を盛ります。


▼17) 耳を付ける為に、まず芯にするネジを付けます。乾燥した樹脂粘土は、精密ドライバー等で簡単に穴が開きます。さらにネジをパテで固定。


▼18) 耳を付けているところ。


▼19) 全体を、耐水ペーパーで研磨して滑らかにします。使ったのは280〜500番くらい。


▼20) 塗装です。筆跡を残さないため、今回はエアブラシを使用しました。塗料はホルベインのアクリラガッシュで、4回くらい塗り重ねました。その上にクリスタルバーニッシュを吹きました。私はエアブラシを使いましたが、筆跡はあまり残らないので筆のほうが効率良いと思います。エアブラシは普通の室内では使えないので、私は風呂場で作業しました。


▼21) 塗装が終わって、マスキングを外しているところ。


▼22) 背中の蓋を取った状態。


▼23) Androidアプリも作成します。タッチして音が出るだけなので、特に難しい処理はありません。


▼24) 実機にアプリを転送。画面の画像は猫のおなかの毛並みです。


▼25) 別途塗装した蓋を装着。


▼26) 最後にスマートフォンを装着。


▼27) これで完成しました。



結構長い紹介になりましたが、粘土を使うと、特殊な成型装置が無くても自由な造形の工作ができます。塗装により色や質感も自由に表現できますので、多様な作品創りができると思います。